ウエディングドレスの簡単な歴史です 中世から藤原紀香まで
ウエディングドレスで着飾って、結婚式はきリスト教会でする。その始まりは、ナント遠くローマ帝国の時代にさかのぼります。ヨーロッパにキリスト教が普及すると益々さかんになり、現代に至る、というのがおおざっぱな流れです。
中世から近代までのウエディングドレスは、こんなでした。
まず、ウエディングドレスは、家系の豊かさと富を表現するために贅を尽くした物であったということ。
家系の由来を表現する「色目」と「紋章」を、金糸・銀糸で織り込んだ厚手の生地に、色とりどりの宝石を縫いつけたのがウエディングドレスでした。
さらにアーミンなどの毛皮を縁取って裏打ちしたマントを羽織り、代々伝わる宝石を全身に身につけ、権威の象徴である宝冠をかぶり、手には宝杖を持つ、という、ウエディングドレスは重たかったのです。
ウエディングドレスの形は当時流行った形を変遷し、結婚式のための色というモノも特に定められていなかった様です。
今ウエディングドレスは白が定番です。白はこうしてやって来ました。
18世紀フランスを中心としたロココ時代、当時のファッショナブルカラーの1つとして「白」が流行るようになります。
ロココの女王と言われたフランス王太子妃マリー・アントワネットはじめ、王族貴族が競って白いドレスを身につけ舞踏会に明け暮れます。
そもそも「白」い布地は当時は貴重な贅沢品。色に染めた布地よりも、純白に抜かれた白生地は大変高価で、一度でも着れば汚れてしまうことからステイタス・シンボルでもあったのです。
で、初めて重たいウエディングドレスを脱いだのはこの人。
18才で英国女王となったヴィクトリア。当時では珍しく、愛する男性との恋愛結婚を貫きました。
衣装も選びました。宝石ずくめの式服でなく、英国製シルクの真っ白なヴィクトリアンスタイルのウエディングドレス。
宝石でなく繁栄の印とされたオレンジの花を飾り、レースのベールを被り、手には小さなコロニアルブーケのみを持つ。
セント・ジェイムス宮殿で結婚式を挙げました。
純真で清純な若き英国王のウエディングファッションは、パレードを見送る英国民はもちろんのこと、そこに集う諸国の人々に、新しい英国の誕生を印象づけました。
すでに印刷技術がありました。そのスタイルは新聞やパンフレットで大きく扱われ、英国を称えるニュースと共にヨーロッパ中をかけ抜けました。
ヨーロッパ中の貴族の花嫁がこれに習うようになりました。そして庶民にも広まります。
ウエディングの古い習慣、三段重ねの高いウエディングケーキ、サムシング・フォー(古い物、青い物、新しい物、借りた物の4つを身につけたブライドは幸せになれる)なども、ヴィクトリア時代に確立しました。
東アジア文化圏では白は死装束の色です、嫌われます。慶事には避けられていました。
でも、1873年、長崎で日本女性磯部於平(いそべ おへい)初めてウェディングドレスを着ました。次の年、森有礼妻。あとはもう押すなです。
和装に比べてウエディングドレス安い。着用も簡単。桂由美の力もありました。ウエディングドレス、もう廃れません。